ソフトバンクは、2月7日に第3四半期の業績を発表した。決算は、増収増益。売上高は3兆6180億円で30%増、営業利益は7951億円で25%増の結果と、大幅に成長した。ヤフーを傘下に持つZホールディングスを連結した影響を除いても、売上高は3%、営業利益は9%ほど伸びている。同社の代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏は、「全事業で増益できたのは、われわれの力がだんだん強くなっていることの証明」と胸を張った。
好決算を受け、ソフトバンクは2019年度の業績予想の上方修正を行った。売上高は200億円、営業利益は100億円を上乗せしている。スマートフォンの契約数増加が想定以上だったことや、法人ソリューションの伸びをその理由に挙げた。
ソフトバンクの業績をけん引しているのが、スマートフォンの伸びだ。一方で、第3四半期の初日にあたる10月1日には、電気通信事業法が改正され、分離プランが義務化されるとともに、端末購入補助の上限が2万円に制限された。消費増税も10月1日で、特に端末の販売にブレーキがかかることも予想されていた。この競争環境の変化を、ソフトバンクは「トリプルブランド戦略」で乗り切ったという。その中身を見ていこう。
ソフトバンク、Y!mobile、LINEモバイルの3本柱で契約数が増加
ソフトバンクのスマートフォン累計契約数は、第3四半期で2348万に達した。前年同期比で202万増と、純増数も順調に伸びていることが分かる。もともとソフトバンクでは、「年間200万契約を毎年伸ばしていく」(宮内氏)という社内目標を掲げていたが、「それを達成することは間違いない」状況だ。次に狙っているのは3000万契約で、宮内氏は「その足掛かりが見えてきた」と語る。
中でも純増数の伸びに貢献しているのが、サブブランドのY!mobile(ワイモバイル)だ。宮内氏によると、Y!mobileは500万契約を突破。電気通信事業法改正によって、端末の総販売台数は下落したものの、「ますますY!mobileが強くなった」(宮内氏)と振り返る。端末購入補助の抑制によって、ハイエンドモデルの販売には陰りが見える一方で、ミドルレンジモデルを中心に取りそろえているY!mobileは、相対的にその影響が少なかったといえそうだ。結果として、「トータルで見ると、凹の幅は少なかった」という。
ソフトバンクは、大容量プランを中心にしたソフトバンク、中容量のY!mobile、低容量のLINEモバイルといった形で、3つのブランドを使い分ける戦略を取っている。このポジショニングが、電気通信事業法改正以降の市場環境にフィットした格好だ。
宮内氏が「シナジーが非常に出てきている」と語るように、ソフトバンクとY!mobileの2ブランドは、店舗の共通化も進めており、ユーザーに合わせた提案が行える仕組みも整えた。宮内氏によると、約3000店舗中、1800店舗で、「ソフトバンクブランドとY!mobileブランドの両方を扱っている」という。内訳は公開されていないが、グラフを見ると、LINEモバイルも比較的堅調に契約数を伸ばしていることが分かる。
契約数が増加しただけでなく、1ユーザーあたりからの平均収入であるARPUも、前年同期比で伸長した。割引影響を含むARPUは、4440円。割引前のAPRUは前年同期の5420円から5100円に減少しているが、割引ARPUが1040円から660円になったことで、トータルでは増収傾向だ。分離プランの浸透やY!mobileの比率が上がったことで、料金そのものの水準は下がったが、月月割の影響が徐々に薄くなっているため、トータルでのARPUは向上しているというわけだ。契約数の伸びと、ARPUの掛け算で増収増益を達成したといえる。
楽天対抗もトリプルブランドで、解約率は大幅に低下
トリプルブランド戦略は、4月に本格サービスを開始する楽天モバイルへの対抗にもなるという。宮内氏は、「楽天モバイルがどういった料金プランで、どういったサービスをするのか、想定ぐらいしかできないが……」と前置きしつつ、次のように語る。
「楽天がどんな形で出てくるのかによって、3つ(ソフトバンク、Y!mobile、LINEモバイル)の中で、どう対応するかを考えることができる。出てきたときは、俊敏に対応するか、あるいは対応しなくてもいいかもしれない。(中略)構造的に、どのブランドでどう対応するのかが、やりやすい構造が作れている」
一方で、ソフトバンクやY!mobile、LINEモバイルを離れるユーザーは、大幅に減少している。その指標であるスマートフォンの解約率は、第3四半期が0.53%と、過去最低水準になった。前年同期は0.79%、前々年同期は0.85%だったことを考えると、解約に急ブレーキがかかった格好だ。携帯電話全体での解約率も1%を割り込み、0.86%に低下した。もともと、ソフトバンクの解約率はドコモやKDDIに比べやや高めの傾向だったが、解約率でも徐々に肩を並べつつある。
宮内氏は、エリアがドコモやKDDIに並んだことなどを要因に挙げていたが、解約率の低下は、それだけでは説明がつかない。やはり大きいのは、端末購入補助の抑制によるMNPの沈静化だ。実際、宮内氏は「電気通信事業法改正や消費税増税が(10月1日に)あったので、9月に激しくサブシディ(補助金)を出してガツンと売った」と語っている。こうした補助金は、主にMNPを含む新規契約に使われるのが一般的だ。裏を返せば、10月以降はこうした補助金が出せず、キャリア同士のユーザー獲得合戦が、鳴りを潜めたといえる。
電気通信事業法の改正では、同時に2年契約の違約金を1000円以内に引き下げ、流動性を上げている。ソフトバンクはこのルールに満額回答し、「ウルトラギガモンスター+」と「ミニモンスター」の違約金を撤廃したが、それでも解約率は大きく低下している。端末購入補助の制限による流動性低下の方が、強く出てしまった結果といえる。
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5Gは3月末に商用サービス開始、4Gの周波数も生かす
3月末には、5Gの商用サービスが開始されることも明らかになった。宮内氏は、「まずはコンシューマーにどっと(5Gの波が)来ると思っている」と期待をのぞかせる。料金プランやサービスの詳細は改めて発表される予定だが、宮内氏は、他社と同様、完全定額のプランを検討していることを示唆した。
「吉澤さん(ドコモの吉澤和弘社長)も、高橋(KDDIの高橋誠社長)さんもおっしゃっていたように、5Gの世界は、アンリミテッドにならざるを得ない。(4Gの)ウルトラギガモンスター+も、月を追うごとに使われるデータの量が膨大になってきているが、ライブでいろいろなものが見られる世界になると、そんなものでは済まないもっと膨大な情報を処理する世界がやってくる。何らかの料金プランは検討している」
宮内氏が「最初はピンポイント」と語っていたように、当初のエリアは限定的になる見込みだ。一方で、エリアを一気に拡大し、2021年に人口カバー率を90%に上げていく方針だ。ソフトバンクが総務省提出した開設計画では、2024年の基盤展開率(10?四方を4500の区間に分け、その中をカバーした割合)が64%と、90%を超えるドコモやKDDIを大きく下回っていたが、これは、あえて低めに抑えているという。
エリアを構築するためのSub-6(6GHz以下の周波数帯)のうち、3社に割り当てられた3.7GHz帯は、「衛星との干渉があり、基地局の展開が難しい」(代表取締役 副社長執行役員兼CTO 宮川潤一氏)ためだ。「インドアなどの干渉がない場所では大いに基地局を作っていくが、道路や大きな面展開をするのが難しい」というのが、宮川氏の見立てになる。
鍵となるのは、4G用に割り当てられた既存の周波数帯だ。総務省では、4Gの周波数を5Gに転用できるよう、準備を進めているが、「この解禁が前倒しになれば、なった瞬間に全面的に基地局を展開する」(同)という。4Gの周波数は現状で割り当てられている5Gより低く、帯域幅は狭いが、その分エリアを構築しやすい。周波数の共有方法にはいくつかの方法があるが、4Gと5G、それぞれが利用する帯域を動的に変化させる「DSS(ダイナミック・スペクトラム・シェアリング)」も、既に標準化されている。
宮内氏が「5Gは間違いなく爆発する」と語っていた背景には、このような事情がある。一方で、まだ5Gのサービスは具体像が見えていない。エリアが広がっても、ユーザーが買い替えるだけのメリットがなければ、普及は緩やかになりかねない。3月末のサービスインに合わせ、5Gならではの世界観をしっかり示すことが重要になりそうだ。
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