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ブランドの正体は情報の束 星野リゾートのブランド戦略(3) - 日経クロストレンド

いまや国内外での運営施設が50に達しようという星野リゾート。「星野リゾート」という社名はもちろん、「星のや」「界」「リゾナーレ」「OMO(おも)」「BEB(ベブ)」といった施設名も広く浸透しつつある。代表の星野佳路氏はどんな考えを基にブランド展開しているのか、その戦略をひもとく。

星野リゾート代表の星野佳路氏

星野リゾート代表の星野佳路氏

最終的に「個別ブランド戦略」が強い

 星野リゾートでは「星野リゾート」をマスターブランド、「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO」「BEB」などの各施設を「サブブランド」と呼んでいる。現在は強力なマスターブランドの下に各サブブランドが連なる状態だが、ゆくゆくはこれらのサブブランドも個別にブランド力をつけ、“一人前”にすることが星野氏の目標だ。そのためには各ブランドが「情報の束」になることが必要だと、星野氏は言う。


星野佳路代表(以下、星野) 米国の経営学者デービッド・アーカー氏によれば、ブランド戦略として企業名のようなマスターブランドを軸に事業を展開する「マスターブランド戦略」を採用するか、個々の商品名やサービス名などを押し出す「個別ブランド戦略」を採用するかは選択の問題だそうです。しかし、私が最終的に強いと思うのは個別ブランド戦略です。

 この個別ブランド戦略を採用している会社には、例えばコカ・コーラ(日本コカ・コーラ)があります。この会社は「爽健美茶」や「ジョージア」といった個別製品にコカ・コーラの名前を記していません。また「ブラウン」や「パンパース」「アリエール」など多くの商品を持つP&G(米プロクター・アンド・ギャンブル)も、それぞれの商品でCMを打ち、P&Gという企業名を目立たせていない。このように個々のブランドを明確にポジショニングできる個別ブランドを持つことが、ブランド戦略的には強い会社の在り方だと思っています。

 ただし個別ブランド戦略に踏み切るには、露出や広告量などマーケティングのコストも個別にかかるのが難点です。現在でこそ、星野リゾートは「星のや」「リゾナーレ」「界」「OMO」「BEB」といったサブブランドを展開していますが、当初は「星のや」にしても「リゾナーレ」にしても全国で1つか2つという状況。それぞれにマーケティングコストをかけるのは予算的にも難しく、軒数も少ないため個別ブランドとして成り立たない。それに、本来のブランド戦略では知覚品質やアイデンティティーは統一したほうがよく、「いろいろあるよ」という状況は、あまりいいものではない。そこで、とにかく「星野リゾート」という名前を知ってもらうことを最優先に考え、マスターブランド戦略を採用してきました。2010年ごろには、このマスターブランドで集客できるような状況になったと思っています。

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May 01, 2020 at 03:07AM
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