
静岡県内で唯一おもちゃ花火の製造・販売を続ける島田市の老舗「井上玩具煙火」が初の自社ブランドを立ち上げ、伝統素材を使った高級手持ち花火「義助(よしすけ)」を17日に発売する。中国製品に押されて市場規模も年々縮小する中、社長の井上吉勝さん(57)、4代目の慶彦さん(28)親子が「国産花火の良さを伝えていきたい」と奮闘している。
「義助」は黒色火薬を使った3種類の花火(和火)と、鉄の粒子入りで立体感のある「紗火(さび)」と名付けた球体付きの花火計5本の詰め合わせ。江戸時代から島田宿でも楽しまれたとされる花火と共通の原料を使う刀に着想を得て、島田の刀鍛冶の名工から名付けた。
色味を加えず温かみのあるだいだい色の炎が特徴で、火薬の組み合わせにより違った火花の舞い方や点滅を楽しむことができる。ギフト需要などを見込み、新設したブランドサイトでは多彩な表情を見せる花火の動画を配信。開発を担った慶彦さんは「一本一本味わうように楽しむ花火」とコンセプトを語る。
同社の創業は1926年。安価な中国製品に押されながらも一貫して国内製造を続け、海外輸出やイベント需要の開拓などに取り組んできた。新型コロナウイルス感染症の拡大で花火大会が軒並み中止になるなど業界は苦境が続くが、井上社長は「こんな時こそ手持ち花火で穏やかなひとときを過ごしてもらい、花火業界に力を与えたい」と話している。
「義助」は5本入りで3千円。専用サイトなどから受注する。問い合わせは井上玩具煙火<電0547(37)2460>へ。
<メモ>おもちゃ花火 1659年には初歩的なおもちゃ花火が売り出され江戸庶民の間で流行、打ち上げ花火に発展したと言われる。全国320社が加盟する日本煙火協会によると、1950~60年代には多くの花火製造業者が存在したが、中国での製造が盛んになってからは縮小を続け、打ち上げ花火との分業化も進んだ。現在国内では19社がおもちゃ花火を製造する。
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June 14, 2020 at 06:09AM
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