米国でTikTokの先行きが不透明になっている。だがD2Cブランドは、TikTokを使って新しい顧客を獲得しようとする取り組みをやめようとしない。彼らはFacebookに代わる広告配信先を常に探し求めているのだ。
米DIGIDAYの兄弟サイト、モダンリテール(Modern Retail)の取材によれば、D2Cのスタートアップやエージェンシーのなかで、TikTokが排除される可能性を理由にTikTokでの広告の掲載や動画の制作を中止したところはほとんどない。人々がTikTokを使い続けている限り、自社の製品を多くのユーザーに見てもらえる可能性があるTikTokは魅力的なのだ(TikTokは今年8月、米国での月間アクティブユーザー数が1億人を超えたと発表している)。実際、ブランド各社によれば、TikTokへの投資を抑制せざるを得ないとすれば、その理由はTikTokがまもなく禁止される可能性にあるのではなく、TikTokの広告プラットフォームがまだ成熟していないことにあるという。TikTokには、Facebookやほかのデジタルプラットフォームのような強力なアトリビューションツールがない。
ドナルド・トランプ大統領は8月6日、TikTokの親会社で中国に本拠を構えるバイトダンス(ByteDance)が45日以内にTikTokの米国事業を売却しなければ、米国でのTikTokアプリの展開を実質的に禁じる大統領令を発令した。これは、TikTokのユーザーデータが中国政府に利用されることを懸念しての措置だとされる。売却先として噂されているのは、マイクロソフト(Microsoft)やオラクル(Oracle)だ。しかし、TikTokはトランプ政権を提訴したことを8月24日に明らかにした。同社はプレスリリースで、「米国ユーザーのデータのプライバシーとセキュリティを保護するために特別な対策を講じてきた」と述べている。モダンリテールはこの件に関してTikTokにコメントを求めたが、回答は得られていない。
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クライアントがTikTokを好む理由
デジタルエージェンシーのワラルー・メディア(Wallaroo Media)の創業者、ブランドン・ドイル氏によれば、大統領令の発令前からTikTokに広告を出していた同社のクライアントのなかで、広告支出を停止した企業はないという。ただし、「はっきり決着がつくまで開始したいとは思わない」と話すクライアントもいくつかあるとドイル氏は語った。同氏は、コトパクシ(Cotopaxi)やローン(Rhone)といったD2Cブランドと仕事をした経験がある。
グロースマーケティングとデザインを融合したサービスを提供するスロープ・エージェンシー(Slope Agency)でパートナーを務めるカリーヌ・シュー氏によれば、同氏のクライアントがTikTokを好む理由は、インスタグラムやFacebookを利用しない人が多いZ世代の消費者にリーチできることだという。「このようなユーザーは製品の購入を促されることに慣れていないため、うまくいけばFacebookやインスタグラムの3倍のコンバージョン率が期待できる」と、シュー氏は話す。スロープは8月18日、TikTokに特化したエージェンシーのアバカスグロース(Abacus Growth)を買収したと発表した。アバカスグロースは、レゴ(Lego)やグラビティ・ブランケット(Gravity Blanket)のTikTok戦略を支援した実績を持っている。
また、TikTokにはもうひとつメリットがあるとシュー氏はいう。それは、TikTok用に作られた動画はコンテンツ寿命が長く、ほかのマーケティングキャンペーンに再利用できるケースが多いことだ。スロープがかつて仕事をしたクライアントには、デイリー・ハーヴェスト(Daily Harvest)やベリショップ(Verishop)などがある。
今のTikTokが抱える最大の欠点
米DIGIDAYがすでに報じたように、D2Cのマーケターの多くは、かなり前から広告予算の投下先をFacebookとGoogle以外に多様化しようと試みており、第3の有望な選択肢としてのTikTokに期待をかけている。「かつては(クライアントから)『Snapchat、ピンタレスト(Pinterest)、レディット(Reddit)でキャンペーンができないか』と尋ねられることが多かったが、それが今はTikTokになった」と、シュー氏は語っている。
とはいえ、TikTokは当初の高い関心にもかかわらず、D2Cスタートアップに選ばれる広告プラットフォームになったとは到底いえない状況だ。ドイル氏の推定では、同氏のクライアントのうち、TikTokにアカウントを作成している企業はおよそ20%で、TikTokに広告を掲載し始めたのはおよそ15%だという。TikTokに広告を出しているクライアントを見ると、TikTokでのCPMが1~4ドルであるのに対して、FacebookでのCPMは9~10ドルほどだ。だが、「TikTokのピクセルはほかのプラットフォームほど機能が高くないため、TikTokでダイレクトレスポンスを測定するのは難しい」と、ドイル氏は指摘した。
この点が今のTikTokが抱える最大の欠点だと、スタートアップやエージェンシーは声を揃える。TikTokのターゲティング機能や、企業の広告を見て製品を購入したユーザーを特定するアトリビューション機能は、Facebookほど強力ではない。
「それでもTikTokをやめられない」
それでも、「TikTokが排除される可能性があることが、新しいチャネルでエンゲージメントやブランドを構築する試みをやめる理由にはならない」と、ソースブランドのトリュフ(Truff)の共同創業者であるニック・ギレン氏はいう。TikTokで6万8000人以上のフォロワーを抱えるトリュフは、2019年7月にTikTokアカウントを開設して以来、自社のソースを使うアマチュアシェフを紹介する動画をおもに投稿している。また、TikTokとともに、パフォーマンスマーケティングのベータテストを行っている。
「今も数百万の人々がTikTokを毎日利用しており、その数は増え続けている」と、ギレン氏は語った。
[原文:Despite threat of ban, DTC brands are still bullish on TikTok]
Anna Hensel(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:長田真)
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September 02, 2020 at 09:50AM
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