エスパー米国防長官は8日、イランによる米軍のイラク駐留基地への報復攻撃について、イラン国内の少なくとも3カ所から16発の短距離弾道ミサイルが発射されたと説明した。このうち少なくとも11発がアル・アサド空軍基地に着弾、少なくとも1発がエルビルの基地に撃ち込まれたと述べた。国防総省で記者団に明らかにした。
標的に届かず落下したミサイルもあったもようだ。ミサイルによってヘリコプター1機が損傷し、テントや駐車場にも着弾したが、深刻な被害はなかったという。
国防長官は「米軍は常に準備が整っている」と強調。「私が見たこと、知っていることに基づけば、攻撃は車両や設備、航空機を破壊し、基地の要員を殺害することが目的だった。それが私の個人的見解だ」とし、情報機関の専門家が現在、分析していると述べた。
国防長官とともに会見したミリー統合参謀本部議長は、米軍に犠牲者が出なかったことからイラン側は報復が終わっていないと考える可能性があるかとの質問に、「それを判断するのは恐らく時期尚早だろう」と述べた。
さらに、イラクのイスラム教シーア派民兵組織がイラクやシリアで米軍や米軍が主導する部隊を攻撃することは十分予想できるとし、「それは極めて現実味のある可能性だ」と強調した。
これより先、トランプ米大統領はイランの報復攻撃に対し、必ずしも軍事力を行使する必要はないと述べ、危機打開に向けた姿勢をにじませた。
またイランのザリフ外相はツイッターで、米軍によるイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官殺害に対して「相応の自衛措置を実施・完了した」と述べた。
[ワシントン 8日 ロイター]
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