
いまや、あらゆる小売カテゴリーを支配するAmazonだが、ひとつだけ例外がある。それが高級ファッションだ。
そんななか、1月初頭にAmazonが高級ファッションのプラットフォームを準備していると報じられた。発表したウーマンズウェア・デイリー(Women’s Wear Daily)のレポートによると、これまでの同社による高級ファッションへの取り組みのなかでも、最大級のものになりそうだという。だが、こういった噂やAmazonの高級ブランドへのアプローチは昔からあったものの、実際には遅々として進んでこなかった。Amazonは高級ファッションブランドにとって厄介な状況を作り出してきた企業でもある。偽ブランド品の販売などは、その最たる例だろう。こういった状況をたとえAmazonが改善できたとしても、高級ブランドを獲得できるとは限らない。
高級バッグブランドのルッツ・モリス(Lutz Morris)の創業者、ティナ・ルッツ氏もAmazonに対する疑念を拭い去れずにいる。
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「Amazonで販売したことはなく、販売したいという興味もない」と同氏は語る。
不十分な偽ブランド品対策
高級ブランドにとって偽ブランド品の販売は大問題であり、Amazonでは十分な取り組みがなされていない。1月第4週にトランプ政権がAmazonなどで販売される偽ブランド品の大規模な取締を発表した。これにより倉庫の監視強化や罰金の引き上げなどが行われる。米国のAmazonでいま「Gucci」と検索すると、グッチのスタイルを真似た商品がずらりと表示される。なかにはグッチの特徴である赤と緑のストライプがあしらわれた商品も多い。エルメス(Hermès)のブレスレットの偽物やルイヴィトン(Louis Vuitton)のベルトの偽物など、ほぼ同じロゴやパターンの製品も珍しくない。
Amazon戦略企業のエンビジョン・ホライゾンズ(Envision Horizons)の創業者でありCEOのローラ・マイヤー氏は、「(Amazonによる高級ファッションのプラットフォームについて)Amazonの高級美容ブランドプログラムと似たようになるのではないか。このプログラムに参加したブランドはホワイトラベルが可能になる。つまりブランドの認可したベンダーだけがそのブランドの商品を販売でき、それによって本物の商品だけを流通させるという仕組みだ」と語る。「Amazonにおける偽ブランド品の問題は深刻だ。プログラムを成功させるには、まずAmazonの側でこの問題に対処せねばならないだろう」。
中国マーケットプレイスのアリババ(阿里巴巴)も、高級ブランドの誘致において同様の問題に直面した。2016年にCEOのジャック・マー氏はアリババ上の偽ブランド品による損害を軽視した言動をとり、ファッションブランドの怒りを買った。だがその翌年、同社は偽ブランド品に対抗するグループを作り、アリババ上からそうした商品を大量に駆逐している。この取り組みが行われたことで、アリババの高級ブランド小売プラットフォーム、Tモール(天猫)のラグジュアリーパビリオン(Luxury Pavilion)が実現した。ヴァレンティノ(Valentino)やボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)など、数十の高級ブランドが参入したのだ。
一方Amazonによるこうした偽ブランド品への対策は不十分なままだ。問題の認識自体は対外的に発表しているが、実際の変化は乏しい。
頻繁なセールにも懸念が
「たとえ偽ブランド品の問題を解決したとしても、ブランドにとって魅力的かどうかは別の話だ」と、ルッツ氏は指摘する。同氏は、Amazonでの販売を考える高級ブランドがもしあったら驚きだとすら語っている。「高級品とAmazonは相性が良くない」。
デザイナーのオーレリア・デマーク氏もこれに同意する。自分のブランドの場合、D2C事業のほうが価値が高く、Amazonで販売する計画はないという。
マーケティングプラットフォームのフォーメーション(Formation)でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるニコール・アムスラー氏は「Amazonでの販売に高級ブランドが二の足を踏んできたもうひとつの理由が、Amazonは販促の戦略としてたびたび割引を行ってきたことだ」と分析する。「頻繁に割引されるのは高級ブランドにとって問題だ。買う側はブランドの販売価格が下がるのを期待するようになるし、ブランドの価値も長期的に見て下がってしまう」。
Amazonの割引システムを通じてブランド商品の価格も引き下げられる可能性がある。これは特定商品の価格を下げて、差額を販売側に払うという仕組みだ。
わずかながら有利な変化
その一方でメイヤー氏は、高級品市場で最近、わずかながらAmazonにとって有利になる変化が起こっていると指摘する。
「高級ブランドにとっての未来は、利便性にあると確信している。これは特にミレニアル世代やZ世代にとって重要な要素だ」とメイヤー氏は語る。「トイザらスの破産によってAmazonが玩具市場で勢力を伸ばしたように、バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)の閉店やニーマン・マーカス(Neiman Marcus)等の小売企業が苦戦するなかで、Amazonが適切なアプローチと体験を提供できれば、高級品市場で拡大する余地はあるだろう」。
DANNY PARISI(原文 / 訳:SI Japan)
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February 06, 2020 at 09:50AM
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