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「イヴ・サンローラン」で経験を積んだデザイナーが新ブランド 立体裁断が違いを生む日常着 - WWD JAPAN.com

 「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT、現「サンローラン」)」で経験を積んだデザイナーの杉原淳史氏が、メンズ・ウィメンズの新ブランド「オーベット(AUBETT)」を2020年秋冬スタートする。海外メゾンで培った技術と、良質な素材に触れてきた経験値を掛け合わせ、着心地にこだわったワンランク上の日常着を提案する。

 杉原氏は文化服装学院卒業後に渡仏。5年間、「イヴ・サンローラン」のメンズ・ウィメンズでデザインやパターンなどの業務を担うモデリストのほか、さまざまなメゾンで経験を積んだ。帰国後は日本の生地メーカー小野莫大小(メリヤス)工業に入社し、同社のファクトリーブランド「スムースデイ(SMOOTHDAY)」のデザインを手掛けてきた。

 「スムースデイ」では、海外のラグジュアリーブランドとも取引する小野莫大小工業のハイグレードな生地を生かし、Tシャツなどシンプルなアイテムを値ごろに提供することで幅広い層に支持を得た。「オーベット」では自らの脚で全国の工場を巡って生地を”発掘”。コートなど重衣料をメインアイテムに、こだわりのある大人の男女に訴求する。

 「オーベット」の服は、同氏が「イヴ・サンローラン」のアトリエで学んだ立体裁断で作る。「メンズ服では原型となる型紙があり、それをベースに手を加えて洋服を作るのが通常。一方、ウィメンズではトルソーに布を当てて、ゼロからデザインを起こすからこそ優美な服が生まれる。この考え方や技術をメンズ服にも持ち込みたい」。そのこだわりは、見頃や袖をつなぐ縫製の角度などミリ単位の違いだが、「着心地や見映えには大きな影響を及ぼす」。”ダキ”と呼ばれるコートの身ごろと袖部分の間に生まれる、生地のドレープの美しさにもこだわった。通常は1~2枚の部品で作る袖を、独自のパターンで3枚の布で作っているものもある。

 初シーズンは、遠州(静岡県西部)産のツイードを使用したコート(9万8000円)やパンツ(2万8000円)がシグニチャーアイテム。そのほかに、スーパー140’sの超細番手の毛糸を使用したボアジャケット(4万9000円)やプルオーバー(2万3000円)、コシのある着心地が味わえるコーデュロイのジャケット(4万4000円)、トラウザーズ(2万4000円)など計30型をそろえた。

 卸先として、高感度なセレクトショップや個店などを想定し、ポップアップストアなども視野に入れる。

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March 10, 2020 at 10:30AM
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