東京の有力ブランドが2~3月、2020年秋冬コレクションを発表した。新型コロナウイルス感染拡大で中止になった3月中旬の東京コレクションにはもともと参加せず、独自にショーや展示会を開いていた。性差やサステイナビリティー(持続可能性)を問い直すなど、それぞれの個性を生かしながらの挑戦が目立った。

アキコアオキ
アキコアオキ(青木明子)は、「性のあり方はもっと自由でいい」と、男女の性の境界をぼかして見せた。透け感のあるチュールのスカートなどで、あいまいさを表現した。
初めて男性モデルを起用し、古着をリメイクした男性向けの作品も披露。今回商品化は考えていないが、トレンチコートを解体し、数着つなげて再構築した上着には、丸みを帯びた袖など女性的なディテールを加えた。青木は、新しい服を作っては消費されることに違和感があったと明かす。「過去の服に創作を加えることで、心が健全になる気がした」と話した。
ベーシックな色を

左から、タロウホリウチ、チノ、ヨウヘイオオノ
自身が一昨年に立ち上げた男性向けブランド「ティーエイチ」の世界を反映したというのが、タロウホリウチ(堀内太郎)だ。ピンクや緑など鮮やかな色を使った前回から一転、白や黒のベーシックな色に徹した。水玉やペイズリーの細かい柄、糸が飛び出た個性的な素材などを使い、柔らかな印象を加えた。堀内は「ティーエイチの原点である、シーズンレスでミニマルな哲学に共鳴した新しい女性像を提案したい」。
大人のリアルクローズとして注目されるチノ(茅野誉之〈ちのたかゆき〉)は、海外展開に向けて、デザイン性を強めたいという。2月上旬、都内で男女合同のショーを行った。身頃の左右どちらかに、もう1枚重ねて非対称になるデザインはひねりがきいていた。
深い赤のニットには、右肩から同素材がカーディガンのように重なる。ゆったりしたシルエットだが、ウエストはリボンで自分好みに調整できる。「小柄な人がオーバーサイズの服を袖をまくって着こなすなど、自分に洋服を融合させるイメージを落とし込んだ」と茅野。同じ服を、冒頭と最後で異なる着方で見せた演出がユニークだった。
ヨウヘイオオノ(大野陽平)は、創作の芸術性と「実際に着るものとしての服」のバランスを模索した。これまでの立体的なフォルムを生かしながら、「コーデュロイなどよく使われる素材で何ができるだろうと考えた」と大野は説く。服のデザインと着る人の関係について、「とがりすぎていても、寄り添いすぎていてもだめ。人と人みたい」。
藍染め「命の循環」

まとふ
本当の意味でのサステイナビリティーとは何か、を問いかけたのがまとふ(堀畑裕之・関口真希子)。前回に続き藍染めをとり入れた。デザイナーが徳島県を旅し、染料作りの現場や、ごみや無駄のゼロを目指す上勝町の人々との対話を収めた映像を作った。
秋冬素材は藍染めが難しく、特殊な加工をしたウールの糸を染め、ツイード生地に織り上げてジャケットやパンツを作った。堀畑は「再生素材を使えばそれで良いのか。消費者にどんどん消費させることとは違う選択肢があるのでは。藍染めは、受け継がれる知恵や技術、毎年収穫される植物の『命の循環』から生まれる。足元にあるものに目を向けたい」と言う。
(松沢奈々子、神宮桃子)
<写真はブランド提供>
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April 19, 2020 at 08:01AM
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