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Facebookのブランドセーフティ、MRCの監査を受ける - DIGIDAY[日本版]

プラットフォーム上でのヘイトスピーチを鎮めようとする広告主やキャンペーングループからの圧力の高まりを受け、Facebookは先日来、メディア・レーティング・カウンシル(Media Rating Council;以下、MRC)による監査を実施し、ブランドセーフティコントロールやパートナーならびにコンテンツ収益化ポリシーの査定を行っている。

Facebookはブログ投稿で、この更新――加えて、「ニュース価値のあるコンテンツ」には削除やラベル表示をしてこなかったが、ポリシーに違反した場合にはラベル表示をする計画など、先に発表した変更――は、「我々の公民権監査を通じて集めた公民権活動コミュニティからのフィードバックの直接的結果」だと書いた。Facebookは対外的にも社内向けにも、「収益圧力に結びついたポリシーの変更はしない」と言い続けてきた。

MRCのシニアバイスプレジデントでアソシエイト・ディレクターのデビッド・ガンゼラス氏は、Facebookは6月29日のブログ投稿の「数日前」に最新の監査を実施した、と述べた。

監査実施がいつ決定されたのかについて、Facebookの広報担当者は米DIGIDAYに対して、2020年2月にフィナンシャル・タイムズ(The Financial Times)に掲載されたFacebook最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ氏の署名記事を参照するよう指示した。この記事のなかでザッカーバーグ氏は、「我々は我々のコンテンツ管理システムを外部監査のために公開することも考えている」と書いていた。Facebookではさらに、複数のマーケターに加え、世界広告主連盟(World Federation of Advertisers)が主導する異業種間イニシアチブである「責任あるメディアに向けた世界同盟(Global Alliance for Responsible Media:以下、GARM)」とも何度か議論を重ねてきた、と広報担当者は述べた。

Facebookの広報担当者は、「我々はMRCとの話し合いを開始しており、MRCとの話し合いが完了したら、今回の監査のタイミングについての最新情報を共有する予定だ」と語っている。

インスタグラムも監査対象に

MRCからの提案はFacebook側に提出されているが、監査の正確な範囲は現時点ではまだ決まっていない。Facebookはブログ投稿では、監査では、「インスタント記事(Instant Articles)」内もしくはオーディエンスネットワーク(Audience Network)上において、広告スロットを含む、インストリームに表示される他のパートナーパブリッシャーのコンテンツ内におけるブランドセーフティコントロールの適応能力が査定されるだろうと言及している。さらに、パートナー収益化ポリシーコンテンツ収益化ポリシーとその適用方法もこの監査の査定対象になることをFacebookは望んでいる。これらは、パブリッシャーやクリエイターが、広告売上を通じてFacebookコンテンツからお金を得たいと思ったら、従わなければならないルールだ。

ガンゼラス氏は、MRCはこの監査にインスタグラムも含めるつもりだ、と述べている。

「我々の監査の範囲が、Facebookが広告を販売している多様なプラットフォーム上のできる限り広範なレベルを網羅した、完全なものにすることが重要だ」と、ガンゼラス氏は話す。

4Aのふたつのフレームワーク

今回の監査ではさらに、Facebookのブランドセーフティプロセスやコントロールが業界のガイドラインに沿っているかにも目が向けられるだろう。MRCのブランドセーフティ基準は現在、広告業界団体であるアメリカ広告業協会(American Association of Advertising Agencies:以下、4A)のふたつのフレームワーク、「ブランドセーフティ下限フレームワーク広告保証(The Advertising Assurance Brand Safety Floor Framework)」と「ブランドスータビリティフレームワーク広告保証(Advertising Assurance Brand Suitability Framework)」による評価対象になっている。

「下限」フレームワークは、広告カテゴリーのうちで、明らかなポルノやスパム、違法ドラッグなど、ほとんどすべての広告主が一緒に表示されたくないと思うであろう「ダーティダズン(ワースト12のリスト)」を詳しく書いたものだ。「スータビリティ」フレームワークはよりカスタマイズされた内容で、個々の広告主が自社ブランドへのリスクと認識したレベルによって変化する。

GARMはまた、2018年に開発された4Aのフレームワークの修正バージョンの作成も進めている。MRCのCEO、ジョージ・アイビー氏は、最新で広く受け入れられる下限とスータビリティ構造を実装し、発行され次第GARMのフレームワークを含んで監査をアップデートできるようにしたい、と述べている。

GARMを率いるロブ・ラコウィツ氏は、同組織では広告向けに公開されているコンテンツプールの透明性向上と品質管理の明確化、有害コンテンツの分類過程の明確化、各プラットフォームの優先順位について業界が信頼できるようなモデレーターや技術の導入に取り組んでいると話す。

「かなり大規模な監査になる」

MRCの監査で、Facebookが広告隣接基準がブランドセーフティ保護に適用され、広告主がダーティダズンのカテゴリーから守られているかどうかが判断される。

監査人は、ニュースフィード環境を人工的に作り出し、コントロールを実行する目的で不愉快なコンテンツの挿入をシミュレーションする「設計活動テスト」と、現実世界のライブのFacebookのテストを組み合わせて使う。後者ではFacebookのインフラストラクチャをテストし、同社がブランドセーフティのパフォーマンスをどれだけ正確に計測しているかをチェックする(YouTubeには、ブランドセーフティのエラー率の値を計測する、複雑そうな代数式がある)。

MRCの監査は外部の会計事務所によって実施される。過去には主にEYが行っていた。費用は監査を受ける会社が支払い、その額は、監査の範囲やコンサルティング時間によって異なるが、数十万ドルから百万ドルを超えるケースもある。アイビー氏は、「かなり大規模な監査になる」とだけ言い、予想される費用には言及しなかった。

アイビー氏はこう話す。「Facebookの利用者は安全性を気にしており、GoogleやTwitterなどの場合と同じで、悪質コンテンツと結びつけて連想されることは断じて許さないのが通常だ。一度でもそれが起こることはよくない。我々は非常に強力なテストを実行して、これを防がなければならない」。

監査にかかる期間は不明だ。

監査は1回で終わりではない

GoogleとMRCはブランドセーフティ監査についての話し合いを2018年に開始している。同年9月、MRCは「強化されたコンテンツレベルのコンテクストとブランドセーフティ(enhanced content level context and brand safety)」のガイドラインを公開した。事前査定は2019年に完了し、YouTubeの監査はまだ続いている。ガンゼラス氏は、監査のタイムラインは「6カ月か、それより少し長い」というが、事前監査(行うこともあれば行わないこともある)の時間はここには含まれない。加えて、解決または明確化される必要がある問題があるかもしれないので、監査の結論が必ずしも認定の決定にすぐ結びつくということにはならない。

一方、Facebookでは、Facebookやインスタグラム上でのサードパーティのビューアビリティ(可視性)ベンダーとの統合に関して、MRCの監査が進んでいるほか、Facebookとインスタグラム両方で悪意のある無効なトラフィックを検知する方法をチェックする別の監査も行われている。しかし、ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は5月に、MRC監査でFacebookの計測や動画広告指標の報告方法に何らかの問題が発生していると報じている。

また、監査は一過性のイベントではない。

「一度監査をして認定されたら終わりではない」とガンゼラス氏はいう。「来年もまた監査を行う。基準を更新する必要があれば、基準を更新するだろう」。

[原文:How Facebook’s brand safety audit with the Media Rating Council will work

LARA O’REILLY(翻訳:ガリレオ、編集:長田真)

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