米国では、第2四半期はじめに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行すると、多くの大企業が広告の一時停止に踏み切り、この危機による影響を和らげようとした。だが、D2C(Direct to Consumer)ブランドのなかには、1000インプレッションあたりのコスト(CPM)が下がったことや、スウェットパンツやローンチェアといった商品の需要が高まったことを好機と捉え、第2四半期に広告支出を計画の2倍に増やすところが現れたと複数のバイヤーが述べている。ただし、どのバイヤーも具体的なブランド名を明かすことは拒否した。
「ホリデーシーズン並みに支出を増加」
「パンデミックの結果、多くのブランドが『ホリデーシーズン』並みに支出額を費やした」と、フリーランスマーケター向けプラットフォームを手がけるマーケターハイヤー(MarketerHire)のCEOで創業者のクリス・トイ氏はいう。「つまり、クリスマスが早く来たようなものだ」。
家庭用品、ウェルネス、アスレジャー、ビューティー、それにオフィス家具や屋外家具といったカテゴリーのD2Cブランドは、広告予算を増やすだけで通常よりも安い広告価格でコンバージョン率を高めることができた。そのため、「この第2四半期は(過去の)どの第4四半期よりも広告支出が多くなった」と、Wプロモート(Wpromote)のソーシャル担当バイスプレジデント、ケビン・サイモンソン氏はいう。この第2四半期に広告支出を増やすことができたD2Cブランドは、計画より50~100%支出を増やしたのではないかと同氏は推測する。
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たとえば、「あるブランドは1月に数万ドル程度だった広告予算を、6月になって100万ドル以上に増やした(これまでの20倍に相当する額だ)。広告支出の増加を考えても利益が増えているため、今後もできる限り多くの費用をつぎ込もうとするだろう」と、トイ氏はいう。
コンバージョン率も上昇していた
第2四半期には多くの大企業が広告を減らしたため、FacebookのCPMは下落した。底を打ったのは4月5日で、そのときの価格は4.83ドルだったとサイモンソン氏は話す。5月に入るとFacebookのCPMは持ち直したが(5月25日の週には8.22ドル)、6月はじめには再び下落した(6月8日の週には7.59ドル、6月15日の週には6.72ドル)。「我々にとってはいい話だ。お買い得な状況がまだ続いていることを示しているのだから」と、サイモンソン氏は語った。
広告価格が通常より下がった状況を利用するのは賢明だが、第2四半期に広告支出を増やせるようになったD2Cブランドが実際にそうしているのは、価格の下落だけが理由ではないとメディアバイヤーらは指摘する。需要の高い製品のコンバージョン率が上昇していることが、その状況を利用できるD2Cブランドに第2四半期の広告支出を増やす機会を与えたのだ。
「広告支出を増やしているブランドは、コンバージョン率の向上が見られるからそうしている」とトイ氏はいう。「広告価格の低下は付随的なものに過ぎない。良いことではあるが、主要な動機ではない」。
より「機敏」なD2Cのマーケター
D2Cブランドは大企業のマーケターよりも「機敏」なため、そのときどきの状況をすぐに利用できると、パフォーマンスマーケティングを手がけるテイク・サム・リスク(Take Some Risk)の創業者で戦略部門責任者のデュアン・ブラウン氏はいう。ただし、第2四半期に広告支出を増やしたD2Cブランドが、そうしたことによって第3四半期や第4四半期に広告支出を減らすかどうかはまだわからない。
「一般的に、D2C企業は広告予算について、大企業よりもはるかに流動的で日和見主義だ」と、サイモンソン氏は話す。「したがって、我々の場合は、第4半期の予算を第2四半期に回すことは考えにくいが、D2C企業はそうではない。『これまでにないほどうまくいっているのだから、もっと予算を増やす方法を見つけ出そう』というのが彼らのスタンスだ」。
第2四半期に予算を増やし、通常より高いコンバージョン率を達成できたブランドは、「年間目標の達成に向けて幸先のいいスタートを切ったことになる」と、サイモンソン氏はいう。さらに同氏は、D2Cブランドが投資家から短期的および長期的な目標を課せられていることを指摘したうえで、次のように語った。「いまの彼らは、切羽詰まって何かをしなければならない状況ではない。第2四半期に前もって利益をしっかり確保できたので、プレッシャーが減っているのだ」。
楽観視しているわけではない
第2四半期に広告支出を増やしたおかげで収益目標を早く達成できれば、一部のブランドにとっては助けになるとバイヤーらは指摘する。だが、支出を増やせば年間収益目標の達成にまつわるプレッシャーが軽減されるとすべてのブランドが楽観視しているわけではない。新型コロナウイルスによる景気の停滞がまだ続くなか、今年の後半には目標達成がより困難になる可能性があるからだ。
「CPMが安くなっていることも話題になるが、ほとんどの議論は収益目標に関するものだ」と、ムーンシャイン・マーケティング(Moonshine Marketing)でマネージングディレクターを務めるジェレミー・ゾンネ氏はいう。「広告に関しては再び忙しい状況が見られるようになるだろう。だが、ロックダウンの影響によって、経済的にかなり困難な状況は、いまも現実に続いている」。
さらにゾンネ氏はこう続けた。「企業は収益目標を軌道に戻したいと切望しているが、ロックダウンに入ったときの経済状況は、ロックダウンから脱したときと同じではない。CPMの安さに惹かれて積極的に動いた広告主は、(今年の後半には)以前よりはるかに少なくなった消費支出の分け前をめぐって争い合うことになるだろう」。
Kristina Monllos(原文 / 訳:ガリレオ)
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June 25, 2020 at 09:50AM
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