新潟県の老舗ニットメーカー、第一ニットマーケティングは7月1日に、日本貿易振興機構(ジェトロ)新潟とブランドプロデューサーの干場義雅との3者協業でファクトリーブランド「トレンタ・セッタンタ(30/70)」を始動する。“究極の普通”をコンセプトにしたセーターは、ウィメンズ&メンズ全10型をブラック1色のみで提案。シンプルで美しいシルエットが際立つコレクションは、これまでOEM(相手先ブランドの企画生産)では実現が難しかったという高品質な商品を、約2分1の価格で購入できるのも魅力だ。ブランドのこだわりやプロジェクト立ち上げの狙いなどを聞くために3人のキーマンを訪ねた。
贅沢な着心地を楽しめる、
シルク・カシミヤの“黄金比”
「トレンタ・セッタンタ」のブランド名は、シルク30%、カシミヤ70%の混紡率に由来する。この“黄金比”で混紡した高級素材をスムース編みにすることで、厚みがあって形状保持ができるニットウエアが完成する。襟の見え方や袖口の幅などもミリ単位で計算したというコレクションは、自宅でイージーケアできる点もポイントだ。さらにニッティングだけでなく、紡績・染色・風合い出しの工程も全て国内メーカーが担当。職人たちの技術がこの一枚に詰まっている。価格はスタンダードなクルーネックセーターで4万3000円。「この贅沢なクオリティーでこの価格が実現できるのはハウスブランドならでは」だという。
世界レベルの品質を新潟から
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新潟県の見附市および五泉(ごせん)市は、日本製ニットの生産シェア30%を占める企業集積地帯だ。しかし、そのほぼ全量がOEM供給だという。国内外の有名ブランドから高い技術や品質を評価されながらも、取引先のブランド名を公言できないことが多いため、知名度向上のきっかけや発信力の強化が課題になっていた。
織物製造会社を前身にした第一ニットマーケティングも、1987年から国内アパレルやライセンスブランドのOEM生産を主体に事業を拡大。自社ブランドも手掛けていたが、「売り場は百貨店が中心。立ち上げてすぐは反応があるが、継続的な知名度の広がりにはつながりにくかった。一方で、輸入品やファストファッションに押されてOEMの受注は年々減ってきている」と伊藤幸夫・同社執行役員営業1部部長は振り返る。
そんな中でブランドスタートのきっかけになったのは、飯田康久ジェトロ新潟所長が偶然、新潟伊勢丹の売り場で新潟のニットメーカーの商品を購入したこと。「こんなにも高い技術を持つニットメーカーがOEMしかやっていない」という驚きと興味から、新潟の主要産地のニット組合に“ファクトリーブランド化”の必要性を打診し、最終的に第一ニットマーケティングが応じて、ジェトロ新潟との本格的なプロジェクトが動き出す。
さらに飯田ジェトロ新潟所長の声がけでブランドプロデューサーには干場義雅が参画。デザインのディレクションからブランドの発信までを担当している。地域活性化、ブランドプロデューサー、モノ作り――3分野のプロフェッショナルがタッグを組み、構想から約8カ月をかけて製品化。ファクトリーブランド「トレンタ・セッタンタ」が誕生した。
“ブランド化”で
知名度&発信力の強化を
“究極の普通”をうたう「トレンタ・セッタンタ」だが、良質なセーターとはどのようなものか。干場ブランドプロデューサーは「厳選された良い素材を使い、丁寧に編み、多様化する現代人の生活に合うようにデザインされているものだ」と考える。それらを個人で探すのは至難の業だが「第一ニットマーケティングという良質なセーターを作る知られざるメーカーが新潟にはある。その素材を最大限に感じていただきたい思いで、色や柄はあえて排除。黒の無地だけに絞ったセーターで、極上の心地よさを楽しんでもらいたい」と思いを語る。
一方、飯田康久ジェトロ新潟所長は、「新潟県は他県から見ると雪・米・酒のイメージが強い。しかし五泉にはウィメンズに強い、見附にはメンズに強いニットメーカーが多くある」。中にはラグジュアリーブランドに製品を供給している工場もあるが「“守秘義務”があるため、このブランドのニットを自社で作っていることは発信できない」。それを踏まえた上で「世界に向けてアプローチしていくには、“ファクトリーブランド化”で知名度&発信力を強化することが重要だ」とプロジェクト立ち上げの経緯を語る。さらに「ビジネスのみの一定の成功だけでなく、地方にも魅力的なメーカーがあることが広く認知されることで、人手不足の解消やアパレル産業の発展につながってほしい」と先を見据える。
また同プロジェクトは、新潟県と連動した地域活性化の一環でもあり、花角英世・新潟県知事も「新潟の良質なニットを世界に向けて発信し、ビジネスチャンスの拡大、知名度向上につなげてほしい」と期待を寄せている。
極上素材を引き立てる
ミニマルワードローブ
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「トレンタ・セッタンタ」は、ブランド公式サイト内のECストアと干場ブランドプロデューサーが手掛けるECのセレクトショップ「ミニマルワードローブ」で販売。今後はオンラインを軸に、セレクトショップへの卸や見本市への出展を予定している。
TEXT : ANRI MURAKAMI
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July 01, 2020 at 11:01AM
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